失業保険は自己都合退職だといくら・いつからもらえる?給付制限とすぐもらう方法を解説
最終更新:2026年7月
「自分の都合で会社を辞めても、失業保険はもらえるの?」「自己都合だと、もらえるまで時間がかかるって本当?」——自己都合退職を考えている方の多くが、こうした不安を抱えています。
自己都合退職でも、条件を満たせば失業保険(失業手当)は受け取れます。ただし、会社都合の場合と比べて「給付制限」があり、受給開始が遅くなる点に注意が必要です。一方で、2025年4月の法改正により、給付制限の期間は短縮され、条件によっては給付制限なしで受け取る方法もあります。
この記事では、自己都合退職の失業保険について、いつから・いくら・いつまでもらえるのか、そして少しでも早く受け取るための方法まで、初心者にもわかるように解説します。
| この記事でわかること・自己都合退職でも失業保険をもらえる条件・会社都合との違い(給付制限・給付日数)・2025年4月改正で給付制限が1カ月に短縮されたこと・自己都合でも「すぐもらう」ための具体的な方法 |
自己都合退職でも失業保険はもらえる?(受給条件)
結論として、自己都合退職でも失業保険は受け取れます。ただし、次の条件を満たす必要があります。
離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上あること
被保険者期間は、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上(または労働時間80時間以上)ある月を1カ月として数えます。一般的な会社員として1年以上働いていれば、多くの場合この条件を満たします。
あわせて、「働く意思と能力があり、積極的に求職活動をしていること」も必要です。退職後すぐに次の仕事に就く予定の人や、療養・家事に専念する人などは、原則として対象になりません。
※ 会社都合退職(特定受給資格者)や特定理由離職者の場合は、「離職日以前1年間に6カ月以上」と、より短い加入期間で受給できます。
自己都合と会社都合で何が違う?
同じ退職でも、離職理由が「自己都合」か「会社都合」かによって、失業保険の受給条件や金額・タイミングは大きく変わります。主な違いを整理しました。
| 比較項目 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
|---|---|---|
| 必要な加入期間 | 2年間で12カ月以上 | 1年間で6カ月以上 |
| 給付制限 | 原則1カ月あり | なし |
| 受給開始の目安 | 申込から約3カ月後 | 申込から約2カ月後 |
| 給付日数 | 90〜150日 | 90〜330日 |
表のとおり、会社都合退職のほうが給付制限がなく、給付日数も手厚くなる傾向があります。そのため、自分の離職理由がどちらに区分されるかは、受け取れる総額を左右する重要なポイントです。会社が「自己都合」として扱っていても、実際には後述する「特定理由離職者」に当てはまるケースもあります。
自己都合退職はいつからもらえる?給付制限のしくみ
自己都合退職の場合、失業保険はすぐには支給されません。受給までには、次の2つの期間があります。
■ 全員共通の「7日間の待期期間」
離職票を提出し、求職の申し込みを行った日から7日間は「待期期間」と呼ばれ、離職理由にかかわらず、すべての人が失業保険を受け取れません。
■ 自己都合退職特有の「給付制限」(2025年4月から1カ月に短縮)
自己都合退職の場合、待期期間に加えて「給付制限」があります。2025年4月の法改正により、この給付制限は従来の2カ月から原則1カ月に短縮されました。
ただし、退職日からさかのぼって過去5年以内に2回以上、正当な理由なく自己都合退職している場合は、給付制限が3カ月になります。
| 受給開始までの目安(自己都合退職)① 求職申込・離職票提出(受給資格決定日)② 7日間の待期期間③ 原則1カ月の給付制限④ 最初の失業認定を経て、約1カ月後に初回振込→ 初回振込は求職申込から約3カ月後が目安です。 |
※ 制度改正が続く分野です。最新の取り扱いは厚生労働省・ハローワークの公式情報をご確認ください。
自己都合退職でも失業保険を「すぐもらう」方法
「給付制限があるなら、少しでも早く受け取れないの?」と思う方も多いはずです。実は、自己都合退職でも給付制限を短縮・撤廃できるケースがあります。
■ 方法1:教育訓練を受講して給付制限を解除する
2025年4月の改正で、離職の前後に厚生労働大臣が指定する教育訓練(職業訓練やリスキリング講座など)を受講した場合、給付制限が解除される仕組みが設けられました。対象講座や受講のタイミングには条件があるため、利用を考える場合は事前に確認が必要です。
■ 方法2:自分が「特定理由離職者」に該当しないか確認する
自己都合退職でも、やむを得ない理由がある場合は「特定理由離職者」と認められ、給付制限なしで受給できることがあります。次のようなケースが該当します。
- 体調不良やケガ・病気により働き続けるのが難しくなった
- 親の介護など、家庭の事情の急変により離職した
- 有期労働契約の更新を希望したが、認められなかった
- 配偶者の転勤などで通勤が困難になった
自分が特定理由離職者に当たるかどうかの判断は難しく、必要な証明書類もケースによって異なります。「本来は給付制限なしで受け取れたのに、自己都合として処理されてしまった」ということもあり得るため、迷う場合は専門家に相談すると安心です。
■ 方法3:待期期間中にやるべきことを済ませておく
給付制限そのものは短縮できなくても、退職前・待期期間中に必要書類の準備や求職申し込みを早く済ませておくことで、トータルの受給開始を前倒しできます。離職票が届いたらすぐに手続きに動けるよう準備しておきましょう。
自己都合退職でいくらもらえる?金額の計算方法
受け取れる失業保険の総額は、「基本手当日額 × 給付日数」で決まります。基本手当日額は、離職前6カ月間の給与をもとに計算します。
| 計算の流れ① 賃金日額 = 離職前6カ月間の賃金総額 ÷ 180② 基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)③ 受給総額 = 基本手当日額 × 給付日数 |
例:30歳・月給30万円・勤続5年で自己都合退職した場合
- 賃金日額 = 30万円 × 6カ月 ÷ 180 = 1万円
- 基本手当日額 = 約6,000円(給付率をおよそ60%として計算)
- 受給総額 = 約6,000円 × 90日 = 約54万円
※ 基本手当日額には年齢別の上限額(30〜44歳で8,055円など/令和7年8月1日時点)があります。上記は簡易的な目安で、正確な金額はハローワークまたは専門家にご確認ください。
自己都合退職の給付日数(いつまでもらえる?)
自己都合退職の場合、失業保険を受け取れる日数(所定給付日数)は年齢に関係なく、雇用保険の加入期間だけで決まります。
| 被保険者期間 | 10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|
| 全年齢共通 | 90日 | 120日 | 150日 |
会社都合退職では最大330日まで受け取れるのに比べ、自己都合退職は90〜150日と短めです。また、失業保険の受給期間には「離職日の翌日から1年間」という期限があり、手続きが遅れると残日数があっても受け取れなくなるため、早めの申請が大切です。
自己都合退職の失業保険|手続きの流れ
- 必要書類を準備する……離職票、マイナンバーカード、証明写真、本人名義の通帳など
- ハローワークで求職の申し込み……離職票を提出。この日が受給資格決定日となる
- 雇用保険説明会に参加……失業認定日が決まる
- 待期期間・給付制限を経る……7日間+原則1カ月
- 失業認定を受けて受給開始……以降、原則4週間ごとに認定を受けて受給を継続
失業保険を受け取り続けるには、原則として認定期間中に2回以上の求職活動実績が必要です。求人への応募や職業相談などが実績として認められます。
自己都合退職で失業保険をもらうときの注意点
■ 給付制限中の生活費を確保しておく
自己都合退職では、退職から初回振込まで約3カ月の空白期間が生じます。この間の生活費をあらかじめ見積もり、貯蓄や他の給付でカバーできるか確認しておきましょう。
■ 受給中のアルバイトは申告が必要
失業保険の受給中でもアルバイトは可能ですが、待期期間中は避けるべきで、働いた場合は必ずハローワークへ申告が必要です。無申告は不正受給とみなされ、重いペナルティの対象になります。
■ 一度もらうと加入期間はリセットされる
失業保険を一度受給すると、それまでの雇用保険の加入期間はリセットされます。安易に自己都合退職を繰り返すと、次に受給資格を満たせないおそれがあるため注意しましょう。
失業保険だけで足りる?退職給付金という選択肢
自己都合退職の最大の悩みは、給付制限による「支給されない空白期間」です。この間の生活を支える手段は、失業保険だけではありません。
退職後に受け取れる公的給付には、失業手当のほかに傷病手当・再就職支援手当があり、これらをまとめて「退職給付金」と呼びます。状況によっては、これらを組み合わせることで受け取れる総額を増やせる可能性があります。
たとえば、体調を崩して自己都合で退職した方が、失業手当だけを申請して終わっているケースは少なくありません。しかし、条件を満たせば傷病手当などと組み合わせ、より手厚い給付につながることもあります。どの給付が使えるかを見極めるには、専門的な知識が必要です。
| 退職前アドバイザーの実績・サポート実績 4,500名以上/契約者の97%以上が受給承認・平均受給額 400万円以上(月給30万円で失業手当+傷病手当をサポートしたお客様の例)・社会保険労務士事務所の監修、第一東京弁護士会所属の顧問弁護士が就任・返金保証つき・全国対応・顔出し不要でも相談可 |
※ 受給の可否や金額は、健康保険・雇用保険の加入状況や退職理由など個々の状況により異なり、すべての方の受給を保証するものではありません。
自己都合退職の失業保険に関するよくある質問
Q. 自己都合退職でも失業保険はもらえますか?
A. はい。離職日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上あるなどの条件を満たせば受け取れます。
Q. 自己都合退職の給付制限は何カ月ですか?
A. 2025年4月の改正により原則1カ月です。ただし過去5年以内に2回以上、正当な理由なく自己都合退職している場合は3カ月になります。
Q. 自己都合でも給付制限なしで受け取る方法はありますか?
A. 指定の教育訓練を受講した場合や、特定理由離職者に該当する場合は、給付制限が解除・免除されることがあります。
Q. 自己都合退職だと何日分もらえますか?
A. 加入期間に応じて90〜150日です(年齢による差はありません)。
Q. 初回の振込はいつ頃ですか?
A. 待期期間と給付制限を経るため、求職申込から約3カ月後が目安です。
まとめ|自己都合退職でも、賢く受け取れば損はしない
自己都合退職でも、条件を満たせば失業保険は受け取れます。会社都合と比べて給付制限があり受給は遅くなりますが、2025年4月の改正で給付制限は原則1カ月に短縮され、教育訓練の受講や特定理由離職者への該当によって、さらに早く受け取れる可能性もあります。
大切なのは、「自分の場合はいつ・いくら・どうやって受け取れるのか」を正確に把握することです。給付制限中の生活費が不安な方や、失業保険以外に受け取れる給付を取りこぼしたくない方は、まず無料相談で自分の状況を確認してみましょう。
本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。雇用保険(失業保険)の制度は改正されることがあり、金額・日数・給付制限などの条件は変更される場合があります。実際の手続きや受給可否については、厚生労働省・ハローワークの最新情報、または専門家にご確認ください。
監修者:和久田 典宏(わくだ のりひろ)
弁護士/未来創造弁護士法人
静岡県浜松市出身。司法試験合格後、弁護士として企業法務を中心に活動しています。
現在は、経営者との継続的な対話を通じて、契約書の作成・確認、事業上のリスク整理、トラブル予防などを支援。年間200通を超える契約書関連の依頼に対応し、法的なリスクを指摘するだけでなく、事業の実態やビジネスモデルを踏まえた実務的な提案を強みとしています。
主な所属・活動
・東京弁護士会 中小企業法律支援センター
・東京弁護士会 新進会員活動委員会
・日本弁護士連合会 法曹養成制度改革実現本部 広報チーム幹事
主なセミナー・講演実績
・日本M&Aセンター
・AZ-COM丸和・支援ネットワーク
・その他、企業・経営者向け講演多数
