退職給付金はもらわない方がいい?デメリットと「損する人・得する人」の見分け方
「退職給付金にはデメリットもあると聞いて、もらわない方がいいのか迷っている」——退職を控えて、そんなふうに悩む方は少なくありません。
結論から言えば、条件を満たすなら受け取ったほうがよいケースが大半です。ただし、受け取り方やタイミングによっては「かえって損をした」と感じることもあります。大切なのは、自分が『得する受け取り方』ができているかどうかです。
この記事では、退職給付金のデメリットを踏まえたうえで、「もらった方がいい人」と「注意が必要な人」を具体的に整理し、自分はどうすべきかを判断できるよう解説します。
| この記事の結論・退職給付金は、条件を満たすなら基本的に受け取ったほうが得です。・「もらわない方がいい」というより、「損しない受け取り方をしているか」が本当の分かれ道です。・受け取り方の判断が難しい場合は、専門家に相談すると損を防げます。 |
まず知っておきたい、退職給付金のデメリット
判断の前提として、退職給付金(失業手当・傷病手当金・再就職手当などの総称)の主なデメリットを簡単におさえておきましょう。
- 自己都合退職などは、受給までに時間がかかる(給付制限)
- 給付ごとに窓口・書類が異なり、手続きが煩雑
- 失業手当を一度もらうと、雇用保険の加入期間がリセットされる
- 受給中は求職活動やアルバイトなどにルールがある
ただし、これらのデメリットの多くは、受け取り方を工夫したり事前に準備したりすることで、避けたり和らげたりできます。つまりデメリットの有無だけでなく、「自分の状況でどう受け取るか」で損得が決まります。
退職給付金の「デメリットが少ない人」
次のいずれかに当てはまる人は、退職給付金を受け取るメリットが大きいと考えられます。
☑ 退職後、次の仕事が決まるまでに期間が空きそうな人
☑ 退職後の生活費・貯蓄に不安がある人
☑ 体調を崩して退職し、しばらく療養が必要な人(傷病手当金の対象になり得る)
☑ 雇用保険・健康保険に一定期間加入していた人
☑ じっくり転職先を選びたい人(焦って妥協したくない人)
特に、生活費の不安から焦って転職先を決めてしまうと、結果的に長く働けずまた辞める、という悪循環に陥りがちです。退職給付金で生活の土台を支えられれば、納得のいく再就職につながります。
退職給付金で「デメリットが大きい人」
一方、次のような人は、受け取り方やタイミングに注意が必要です。「もらわない」のではなく、「慎重に計画して受け取る」ことがポイントです。
退職後すぐに転職先が決まっている人
すぐに次の会社で働く場合、失業手当は「求職活動中の生活を支える」目的のため対象になりません。ただし、早期就職なら再就職手当の対象になることがあります。
短期間での転職を繰り返している人
失業手当を受給すると加入期間がリセットされるため、受給後すぐに再就職して短期間で辞めると、次は受給資格を満たせないことがあります。今後のキャリアを踏まえた判断が必要です。
扶養に入っている・入る予定の人
失業手当は収入とみなされるため、日額によっては扶養から外れる場合があります。世帯全体で見て損にならないか確認しましょう。
迷ったときのセルフチェック
自分がどちらに近いか、次の項目で確認してみましょう。当てはまる数が多いほど、受給を前向きに検討する価値があります。
| 受給を検討すべきかチェック□ 退職後、無収入の期間が生じそうだ□ 雇用保険・健康保険に1年以上加入していた□ 体調や家庭の事情など、やむを得ない退職理由がある□ 次の仕事は焦らずじっくり探したい□ 受け取れる給付や手続きがよく分からず不安→ 2つ以上当てはまるなら、受給を前向きに検討・相談する価値があります。 |
ケース別|どう受け取るのが正解?
ケース1:自己都合で退職し、しばらく求職活動する
失業手当が中心。給付制限があるため、教育訓練の活用や手続きの前倒しで受給開始を早める工夫が有効です。
ケース2:体調を崩して退職する
まず傷病手当金を検討。働けない間は傷病手当金、回復後に失業手当へ切り替えると、トータルで手厚く受け取れる可能性があります。退職日の設定にも注意が必要です。
ケース3:早期に再就職の見込みがある
再就職手当が狙えます。早く決まっても損にならない仕組みなので、失業手当の残日数を意識して申請しましょう。
このように、正解は人によって異なります。自分のケースでどう組み合わせるのがベストかを見極めることが、損をしないための鍵です。
退職給付金について一人で判断が難しいなら、専門家に相談を
退職給付金は、「もらう・もらわない」の二択ではなく、「自分の状況でどう受け取れば損をしないか」を考えるものです。とはいえ、給付の種類・条件・順番・タイミングは複雑で、一人で最適な判断をするのは簡単ではありません。
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※ 受給の可否・金額は加入状況や退職理由など個々の状況により異なり、すべての方の受給を保証するものではありません。
退職給付金のデメリットに関するよくある質問
Q. 退職給付金はもらわない方がいい人もいますか?
A. 受給自体を避けた方がよい人は多くありません。ただし、すぐ転職する人や扶養の関係で不利になる人など、受け取り方に注意が必要な人はいます。
Q. 失業手当をもらうと将来損しますか?
A. 一度もらうと加入期間がリセットされる点には注意が必要ですが、生活資金を確保できるメリットは大きく、条件を満たすなら受給を検討する価値があります。
Q. もらうか迷ったら誰に相談すればいいですか?
A. ハローワークのほか、退職給付金に詳しい専門家に相談すると、自分のケースに合った受け取り方が分かります。
Q. 体調不良での退職でも受け取れますか?
A. 傷病手当金や、特定理由離職者としての失業手当の対象になる可能性があります。条件を満たすか専門家に確認しましょう。
まとめ|退職給付金を「もらわない」より「損しない受け取り方」を
退職給付金にはデメリットもありますが、その多くは受け取り方を工夫すれば避けられます。条件を満たすなら、基本的には受け取ったほうが退職後の生活の支えになります。
本当に考えるべきは「もらうか・もらわないか」ではなく、「自分の状況で、どう受け取れば損をしないか」です。判断に迷ったら、退職前の早い段階で専門家に相談することで、デメリットを避けながら受け取れる給付を最大化できます。まずは無料相談で、自分にとっての正解を確認してみましょう。
本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。各給付(雇用保険・健康保険)の制度は改正されることがあり、条件・金額・手続きは変更される場合があります。「退職給付金」は複数の公的給付の総称として用いており、受給可否は個々の状況により異なります。最新の内容は厚生労働省・ハローワーク・各健康保険窓口、または専門家にご確認ください。
監修者:和久田 典宏(わくだ のりひろ)
弁護士/未来創造弁護士法人
静岡県浜松市出身。司法試験合格後、弁護士として企業法務を中心に活動しています。
現在は、経営者との継続的な対話を通じて、契約書の作成・確認、事業上のリスク整理、トラブル予防などを支援。年間200通を超える契約書関連の依頼に対応し、法的なリスクを指摘するだけでなく、事業の実態やビジネスモデルを踏まえた実務的な提案を強みとしています。
主な所属・活動
・東京弁護士会 中小企業法律支援センター
・東京弁護士会 新進会員活動委員会
・日本弁護士連合会 法曹養成制度改革実現本部 広報チーム幹事
主なセミナー・講演実績
・日本M&Aセンター
・AZ-COM丸和・支援ネットワーク
・その他、企業・経営者向け講演多数
